フランス通信(172) 如月                    Paris,le 16/02/2020

 

*2月に ( AU MOIS DE FEVRIER ) : 今冬は今のところ雪が降ることも無く、厳しい寒さも無いのですが、と云ってよく晴れて陽光が眩しい日も少なく、モサードな(maussade陰気な,、、、)天気の日が続いています。先日は« Ciara »と云う大嵐が大西洋からヨーロッパ北部を襲い、地中海のコルシカ島に迄下がって3日間も大暴れ、地球の温暖化(le réchauffement climatique)によるものか、場所によっては小型の竜巻(la mini-tornade)まで起こして屋根を吹き飛ばし、車をひっくり返し、大きな木を根こそぎ倒すお転婆振りを発揮、何処かへ去って行きました。長続きはしなくても晴れた時には、つい先日まで部屋の奥迄射しこんでいた陽光が、既に部屋の中程までになっていることに気が付き、春が近づいていることを感じます。日本の友人からは紅梅や白梅の花が咲いたと写真入りの便りが届き、近くの花壇に黄水仙((la jonquille)が咲いているのを見付けて、パリのモンスリー公園の芝生に咲く黄色のクロッカス(le crocus)の花を見に行ってこようと思っています。 « Pendant l’ hiver, la nature s’ était endormie sous le blanc manteau de neige et de glace,..(忘れました)....mais maintenant, ils se sont réveillés , le printemps est venu.» いい加減な記憶ですが、春が近づくといつも中学校のフランス語の授業でビルマン先生から教わったこの文章が頭を過ぎります。

 

昨年125日に始まった年金制度改革反対を訴えるデモ行進は、相変わらず週末に続けられ、ストライキも終わることなく年が明け、一向に解決を見ないまま今日に至っていますが、市民の足を奪っていた交通機関は次第に回復してきました。国鉄(SNCF)とパリ市交通営団(RATP)ではNAVIGOというパリ市及び郊外地区に有効な定期券を、12月分のみ一斉払い戻しを決め、指定のサイトから3月12日迄に必要手続きをするように発表されましたので、PCをポツポツと

 

叩いて請求しましたところ、全額75,20€を3週間以内に銀行口座宛てに振り込む由 確認書が届きました。学生割引その他全ての割引料金適応の定期券も払い戻しが為されるとの事です。

 

*「レオナルド・ダヴィンチ」展終夜開催 (L’ OUVERTURE 24h/24 de l’Expo. « LEONARD DE VINCI ») : ダヴィンチ没後500年を記念してルーヴル美術館にて「世紀の展覧会」と好評開催中の大回顧展は、予約が最終日まで既に満員の為、ルーヴル美術館は更に広く鑑賞に供する意向から、221日(金)2100から最終日の224日(月)1745迄の24時間開館を決め、発表しました。相変わらず予約は必要ですが、夜間2100から早朝0830迄の入場は無料となっています。www.ticketlouvre.fr  A compter du vendredi 21 février 2020, l’exposition « Léonard de Vinci » sera ouverte 24h/24 jusqu’à 17h45 le lundi 24 février, dernier jour de l’ exposition. La réservation en ligne sur www.ticketlouvre.fr reste obligatoire,mais toutes les places entre 21h00 et 08h30 sont gratuites.

 

*「スズメは何処に?」( MAIS OU SONT PASSES LES MOINEAUX ? ) : そう云えば最近スズメの姿が見えません。さえずりさえも聞こえません。何処へ行ってしまったのでしょう。パリ・パリ郊外地区鳥類学センター(CORIF : le Centre Ornithologique d’Ile-de-France)によれば、過去10年間に亘る定点観測の結果、パリだけでなくロンドンやヨーロッパ各地も同様に73%が居なくなり、原因としては殺虫剤、空気汚染などで餌になる虫が居なくなり、巣をかける建物の窪みや雑木が少なくなり、といって巣箱を作って掛けても来る類の鳥ではないことなどが原因としています。その辺に幾らでも居て飛び交い、アパートのテラスに米を撒けばすぐさまやって来て賑やかについばみ、公園では鳩より素早くおばさんの手に乗って餌をつつき、カフェテラスで皿から見事にフリットを銜えて飛び去るスズメ、、、、、「スズメ、スズメ、お宿は何処だ、、、」

 

*国際農業展示会2020 ( SALON INTERNATIONAL DE L’ AGRICULTURE (SIA)2020 ) : パリで開かれる数々の展示会の中で最も人気があり、既に50年以上も毎年開かれています。出展者は1300を超え、農業だけでなく牧畜や食品を含む大規模な展示会ですから、穀物、野菜、果物、等の農作物そのものやワイン、ジャム、ビスケット、ケーキの様な加工品ばかりか、牛、馬、豚、山羊、羊、七面鳥、鴨や鶏、ホロホロ鳥、兎、牧羊犬、といった動物達も参加、肥料、飼料からハム、ソーセージやバター、チーズ、ヨーグルト等々の肉、卵、乳製品も巾広く展示され、試食や販売もして、フランスが如何に大きな農牧国であるかを示し、誇っているかの様です。

 

毎年大統領が開会を宣言、好みのツマミで嬉しそうに一杯やる姿が見られます。動物の飼い主達は会期中は会場に寝泊まりして動物の世話にあたりますが、時には豚や羊に赤ちゃんが生まれたり、卵から雛が孵ったり、、、、色々と試飲や試食も出来ますので、関係業者ばかりでなく家族連れでも楽しめる展示会です。「BIO,、、BIOとはいったい何なのか、それがBIO製品であることは如何に証明されるのか、、、BIOと付くと何故に値段が高いのか、、、」相変わらずの話題です。

 

222日から31日迄、Paris Expo Porte de Versailles (Métro :Porte de Versailles下車)

 

毎日09001900、入場料15€、小人(6才‐12才)8€ www.salon-agriculture.com

 

尚、当展今年のポスターのマスコットはシャロレ種牝牛で6才の“イデアル(Idéale)”です。

 

*アトリエ・デ・リュミエール ( ATELIER DES LUMIERES ) : パリ11区の鋳造工場を修復・改造した面積3300m2、天井高さ10mの展示スペースの隅々まで、立体音響と共にデジタル化した芸術作品の数々を光ファイバーで投影、音楽に合わせて画像が動く、デジタル・アートです。今回は「地中海の旅」をテーマに、モネ、ルノワール、シャガール、マチス、ピサロ等が描いた海洋風景を中心に、500点余りの作品を約40分に亘って投影しますので、唯作品を目で見るだけでなく、身体全体で感動を覚え、作品そのものの中に入って細部に亘り堪能出来る新しい絵画体験と云ってもよく、画家達にとって南仏が、地中海が如何に重要であり、影響を及ぼしたか、色彩、ヴァリエーションを通して理解出来る事でしょう。同時に「青の王様」(le roi du bleu)と呼ばれ僅か34才で逝ったニースの前衛画家イヴ・クラン(1928-1962)の作品を「限り無くブルー」(l’ infini bleu)と題して投影します。228日から1231日、毎日10001800 Atelier des lumières, (38, rue Saint-Maur,75011 Paris)メトロPère Lachaise下車、予約・入場券(14,50 €)はSiteのみ。www.atelier-lumieres.com をご参照ください。*イヴ・クランは“肉体が精神のゆとりを作る”として柔道に熱中、195224歳の時に日本に長期滞在して修行を積み、見事に黒帯4段を受けています。)

 

「一万歩 目標なのに 近道し」(多) 「紙とペン 探している間に 句を忘れ」(銀)

 

2020216Sainte Julienne 日の出0758・日の入1812 天気:パリ朝夕12/日中18℃強風、ニース7/15℃曇天、ストラスブール8/18℃雨天、春も間近くお元気で、菅